海外武者修行プログラムの一環として、社会人海外インターンシップをご活用頂いたカルビー株式会社の人事部の中村さん・小池さん・西村さんと、1年間に渡るカンボジアでのインターンシップに挑戦して頂いた山下菜穂子さんに、研修を実施した背景や渡航前後の変化についてお話をお伺いしました。
海外武者修行にご参加頂いた、カルビー株式会社 マーケティング本部 流通1部 1課 山下 菜穂子様
(海外武者修行前はカルビー株式会社 西日本事業本部 中四国物流課 に所属。)
【企業派遣型 海外インターンシップ研修概要】
・参加者:山下菜穂子さん ・渡航先:カンボジア(プノンペン)
・インターンシップ期間:1年間
・インターンシップ先:カンボジアにて1,350名のローカルスタッフと一緒に店舗づくり・事業開拓を担うインターンシップ
・インターンシップ内容:
① 日本食発注仕組化
② 倉庫店舗振替仕組化
③ スイーツコーナーの立ち上げスタッフの教育
異文化の中、荒波に揉まれる経験をしてほしい
(左から順に、カルビー株式会社 人事総務本部 中村有佑様、小池美帆様、西村結様)
—海外武者修行プログラム実施の背景や目的を教えてください。
カルビーでは持続的成長のための重点課題の一つとして「海外事業」をあげています。その「海外事業」の拡大を担う、次世代ビジネスリーダーの育成が海外武者修行プログラムの大目的です。
日本とは違い、海外でカルビーはまだまだ知られていません。海外展開を推し進めていくには相応のナレッジやスキル、マインドが必要であると考えており、海外インターンにて実際のビジネス、特に0を1にする体験をすることによって、カルビーの海外事業を推し進めるビジネスリーダーへと成長することを期待して当プログラムを実施しました。
プログラムの選定ポイントは、①食に関わる内容であること ②英語でビジネスを行うこと ③異文化の中で仕組みの整っていないプロジェクトを遂行すること(荒波に揉まれる経験ができるか)を重視し決定しました。
海外事業部にて即戦力となる人材へ
(インターン期間中のプライベートも充実させていた山下さん(右上)国際色豊かな仲間とダンス発表)
—山下さんにお聞きします。
今回、海外武者修行プログラムに応募した理由を教えてください。
海外武者修行の場を借りて原材料調達から販売までの一連の業務を身をもって体験し、現地に根付いたビジネスとはどういうものか学びたかったからです。特にまだ自分自身の経験が浅い市場動向調査や販売・在庫などの数値管理について実践を通して学び、現地特有の物流の仕組みについて知識を深めたいと考えました。
カンボジアでは、ベトナムからの輸入品が増加しているという現状があり、特に食品安全に対する意識が高まっている。それは裏を返せば高品質な日本の商品を売り込むチャンスでもあると考えました。同時に品質を保ちつつローカル市場に浸透させるにはコスト面での競争力をどうつけるかも模索したいと考えました。
また、カンボジアとの関わりと言う意味では、私は7年間日本語ボランティア活動を行って来ました。それで今回は、ビジネスという切り口から自分一人の成長だけではなく、現地スタッフが共に成長できるように一生懸命取り組み、カンボジアへ少しでも貢献したいという強い思いもあります。
この経験を通して、将来カルビー海外事業における販路拡大の方法や市場拡大に向けての体制作りに取り組み、カルビーの海外事業成長のための貢献がしたい!という思いで応募しました。
ローカルスタッフが納得する仕組みづくりを
(カンボジア語しか通じないので苦労したが一緒に働けて楽しかったスイーツスタッフ)
—カンボジアでのインターンシップの主な内容を教えてください。
主に「日本食発注の仕組化」、「倉庫店舗振替仕組化」、「スイーツコーナーの立ち上げ」の3つの課題に取り組みました。これまで日本人スタッフが主導していた業務を如何にローカルスタッフのみでまわせるようになるか、オペレーションの再編・簡素化を行いました。既存の方法を知った上で問題点を抽出し、改善案を提示、実践してみては現場の声をもとに改善するということを何度か繰り返しました。フォーマットを1から作ったり、新たなスキームを作ったり、必要あれば店頭に立ったりと、ローカル社員だけでミスなく発注・振替が継続されるよう徹底的に現場主義に立ち返りながら課題に取り組みました。
—インターンシップで一番大変だったことは何ですか?
発注のフォーマット作りや、倉庫の振替業務です。発注業務者一人ひとりのレベル感を見ながら調整することが大変でした。各スタッフに随時確認作業をしながらどういう形であれば最も効果的・効率的なオペレーションを生み出せるのか試行錯誤しました。最初はなかなか自分の存在価値が見出せず、「何のためにここにいるんだろう、日本に帰りたい」と苦悩していた時期もあります。特に最初の半年間は自分の無力さを感じ、インターン先にも派遣元のカルビーにも役に立てていないのではないかと悩みました。日本人であれば当たり前に感じることが現地スタッフに教えようとするとうまくいかない。そういうことの繰り返しで頭を抱えていました。
ただ、やっていくうちに周囲の人間を理解し良好な関係が築かれてきて彼らを巻き込むことが出来るようになりました。そうするともっともっと改善したいという気持ちが沸き上がり最終的には全て課題を終えることが出来ました。今思うと最初はそれぞれ別の業務と捉えていましたが、やがて全体を俯瞰することで業務の繋がりが見えてきて、そこから後半はよりエンジンがかかりました。また、もともとカルビーの物流でやっていたことや考え方がインターン先でも役立ったと思います。
研修を終えて
①0→1の経験と徹底的な現場主義が学べた
—インターンシップ後、価値観や考え方の変化があれば教えてください。
働き方と考え方の面で大きな変化がありました。インターンシップ前はデスク上での業務が多く、電話とPCで成り立っていましたが、カンボジアでは上がってくるデータの信憑性を実践の場で確かめ、より良い効果検証を行うため、とにかく現場を見に行きました。そうすることによって、徹底的な“現場主義”が身につきました。
また、仕組みを1から作るということも今まで経験したことがなかったのですが、周りを巻き込んでいくプロセスはとても楽しく、仕事の捉え方、取り組み方が大きく変わりました。
②現場主義でお客様に選ばれる商品作りをしていきたい。
—帰国後はどのようなお仕事に携わられているのですか?
現在は、本社マーケティング部に配属を頂いて、商品企画を担当しています。主にコンビニで販売する商品の企画をしています。今はまだ配属されて間もないため、把握出来ていないことも多いですが、今までは商品が出来た後のプロセスに携わっていたので、商品作りという前行程に携われることにとてもわくわくしています。カンボジアでの経験を活かして、現場主義で作っていきたいです。お客様の行動を現場で見ながら商品を企画して、皆さんがあっと驚き、喜んで頂けるような新商品作りをしたいと考えています。
ー山下さん、ありがとうございました!
1年間のカンボジア武者修行インターンのご経験を糧に新たな部署でのご活躍を期待しています!
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