TOP/海外インターン体験談(タイモブログ)を読む/インドの体験談:インドEC市場、20年以内に米国を追い抜き、世界2位に王手
年12月20日SankeiBizに「インドのEC市場、世界2位に 34年までに米国上回り中国に肉薄」というインドのEC市場の躍進を告げる見出しが躍った。
以下引用
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インドの電子商取引(EC)市場規模は、今後20年以内に米国を追い抜き、世界2位となる-。こんな見方を英決済サービス会社ワールドペイが示した。インターネットの普及に加え、若年人口の増加、スマートフォンの利用者増などが、同市場の拡大を後押しするとみられている。現地紙ビジネス・スタンダードなどが報じた。
同社が毎年発表する「グローバル・ペイメント・リポート」の2016年版によると、インドのEC市場は16~20年にかけて年平均28%増で拡大し、20年には637億ドル(約7兆4688億円)規模に達する見通しだ。34年までに米国を追い抜き、市場規模で世界最猛烈な勢いで成長している
今後中国のEC市場規模に肉薄すると予測される。
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世界のITジャイアントがインド市場を狙う。
成長が著しいインドのEコマース市場だが、昨今ITジャイアントが次々とインドEC市場に参入を表明し大型の投資が行われ、市場が加熱している。今年2016年3月、インド政府はEコマース市場の外資規制を緩和して、外資による直接投資FDIが可能となり今後EC業界への投資が加速するものとみられる。
日本経済新聞によると、「米アマゾン・ドット・コムはインドに30億ドル(約3200億円)を追加投資すると発表した。ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が訪米したナレンドラ・モディ印首相と会談し発表した。物流網やIT(情報技術)開発拠点の整備などに資金を振り向けるとみられる。」と報じている。
アマゾンは2014年にインドへの20億ドルの投資を発表しており、合計投資額は50億ドルに達することになる。IT産業が集積するハイデラバードに巨大な開発拠点を設ける計画だ。
また、2014年にソフトバンクがSnapdealに6億2,700万ドルを出資したというニュースは話題となった。
2020年までに日本のEC市場規模を凌駕するインドのEC市場
インドのEコマース(電子商取引)市場の成長率は、インドの大手市場調査会社CRISILによると2007年以降年間36%のペースで成長しており、2020年に1200億ドルに市場規模が拡大すると予想している。(この指標が小売分野の市場規模予測なのか、EC全体の市場規模予測をさしているのかは不明だが。)
ドイツの市場調査会社statistaによるとインドのEC市場規模に関しては現在小売分野で380億ドル(4兆4580億円)と推計されている。日本のBtoCのEC市場規模は全体で13兆7746億円。小売に絞ると7 兆 2,398 億円となっている。
CRICILが出したEC市場予測指標から計算すると数年のうちに日本のEC市場の優位性が保てなくなってしまう。インドEC市場の年間の成長率は日本の成長率(およそ11%)の3倍で推移しており日本のEC市場規模を上回るのはおよそ時間の問題といってもいいだろう。
いずれにしても、英決済サービス会社ワールドペイの予測通り2020年までにインドは確実に小売ベースの市場規模では日本を超えて来るだろう。
世界各国のEC市場規模
アメリカの調査会社remarketyによると2015年のeコマース小売ベース売上高トップ5の国は下記5ヵ国であることが分かった。
1位 中国(約5,627億ドル)
2位 アメリカ(約3,490億ドル)
3位 イギリス(約939億ドル)
4位 日本(約793億ドル)
5位 ドイツ(約745億ドル)
日本のEC市場の成長率は2010年から平均して10.6%の成長率で2010年から2015年まで8%から15%の間を推移している。
ASSOCHAM(インド商工会議所連合)によると、現在インドのEC市場規模では中国や日本には遠く及ばないが、マーケットの成長率は他の先進国を圧倒している。2007年以降年間36%のペースで成長しており、2016年度の成長率はECマーケットを先導する日本(11%)、中国(18%)をはるかにしのぎ、Bricsの中では首位になっており、ネットショップ利用者は2013年の時点で2000万人から2015年には3900万人に拡大していると発表。
各調査会社によって指標の計測方法が異なるのか多少統計結果に齟齬はあるもののインドEC市場規模拡大の可能性について概ね前向きな調査結果が出ている。
インドにおけるインターネットユーザー数はアジア2位
アジアパシフィック地域におけるインターネットユーザー数(単位:million)、2016年度版 出典:statista
statisticsの統計によると現在インドのインターネットユーザー数は3億7500万人でアジア地域で2位となっている。3位の日本のユーザー数は1億1500万人で3倍以上も開きがある。
世界の人口をリードするインドや中国は、人口の母数がそもそも他を圧倒しているためネットユーザー数は必然的に多くなる。この人口過多の圧倒的な優位性は他国のEC市場やスマホ市場にとって大きな脅威となる。
今後、アジア圏において単純な人口の多さから市場拡大のポテンシャルを発揮できる国はインドとインドネシアだろう。今後、単純な人口の多さによるネット使用比率格差はますます開いて行く事が予想され、将来的には日本のEC市場の持つ優位性が極めて限定的になる可能性がある。
インドのEC化率
小売に占めるEC市場のシェア率 出典:statista
EC化率とは、市場の取引額全体に対するECシェア率を示した指標で、この指標でどの程度インターネットによる取引が日常に浸透しているかが分かる。インドでは2018年までにEC化率がおよそ1.4%に到達すると予測されており、日本のEC化率の4%と比較しても、この点はまだ低いがインドの人口の多さを考えると、日本のEC化率のポテンシャルはあまり効果を発揮しない。1.4%でも十分に日本以上の市場規模に到達してしまうだろう。
25年間で35億人がBase of pyramid(低所得)層からMiddle of pyraimid(中所得)層へ移行する。
インドのインターネットの使用率、スマホの普及率、EC市場規模拡大の背景には単純な人口数のポテンシャルだけではなく、経済成長に伴う、BOPに属する人口のMOPヘの移行が考えられる。
B0P市場とは、世界人口の70%にあたる約40億人を対象とした、所得総額5兆ドルにものぼる巨大市場である。一般にBoP層に属する人々の年間所得は一人当たり3000ドル未満と定義されており、インドの人口の大半は、依然としてBoP層によって占められている。
世界銀行が2013年10月に発表した世界の貧困に関する報告書「The State of the Poor: Where are the Poor and Where are the Poorest?」によると国の全人口のうち1日1.25ドル(約65ルピー)以下で暮らす人の割合を示す貧困率のインドの値は2010年の時点で33%となっている。途上国全体の貧困層の人口はインドの人口とほぼ同じ12億人で、3人に1人をインド人が占めていることになる。
これは世界の所得水準と人口数を対比した表になる。
2012年野村総研予測によれば、2005年を起点とした2030年までの25年間で、35億人がBoP層からMiddle of Pyramid(中所得)層へと移行し、2030年時点でのMoP層は約55億人、家計支出総額は71.6兆ドルに達するという試算をだしている。
出典:野村総研
この試算に基づけば、2030年時点でMoP層を構成する実に約64%がBoP層から上がっていくことになる。インターネットの使用率、スマホの出荷台数、EC市場での消費者の動向にも大きく影響だ出て来るだろう。今からBoPビジネスに取り組むことは、すなわち将来のMoP層に対して継続的にアプローチすることにつながる。
インドのEC市場規模拡大に孕んでいる要素は人口の優位性だけではなく、今後所得ピラミッドにおける人口比率の変化だ。この成長は一過性のものではなく、インドが先進国の仲間入りをするまで突き抜けるだろうと思う。今インドはまさに高度経済成長まっただ中といったところだろう。インドのEC市場に参入するにはまさにベストなタイミングだ。
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