プロフィール
氏名:潟中 弘貴
所属:株式会社FoundingBase/慶應義塾大学卒業
参加したタイガーモブのインターン/プログラム:
私を表すハッシュタグ:#教育 #地域 #幸福論
-タイガーモブのインターンシップに参加したきっかけは何ですか?
今回KOBE STARTUP AFRICAに参加した理由は、大きくビジネス観点と研究観点の2つがあります。
まずビジネスの観点では、アフリカでの疑似的な起業体験を通して、ビジネスのヒントを得るためです。大学在学中の就職活動では「アフリカ支社を立ち上げて若者に機会を提供するんだ!」という意気込みをもって会社を選んだのですが、実際に起業をしたこともなければアフリカでビジネスを手がけたこともなかったので、このプログラムを知った時に自分にピッタリだと思い、「チャレンジするしかない!」と感じました。
そして研究の観点では、アフリカの「幸福のメカニズム」を解明するためです。私は大学3年生の時に休学して南アフリカの現地企業でインターンとして働いていました。また、所属していたゼミではコンゴ民主共和国をフィールドに「教育×国際開発」をテーマに研究活動を行なっていました。、それらの経験を通じてアフリカの文化にとても魅了されました。特に幸福の捉え方が日本と異なるところが多く、その謎をルワンダでインタビューを通して解明できないかと思いました。
上記の2つの観点から、このプログラムに参加することを決意しました。就職先が決まった後も時間を無駄にしたくないし、学生時代にできるだけ幅広い視野を持つことで社会に出た時に役立つのではないかと感じていたので、このプログラムに出会えたことに感謝しています。
-参加したインターンではどんなことを実施しましたか?
プログラムでは最初の1週間で現地のスタートアップ企業やコーヒー農園等を視察しました。後半の1週間ではその活動から感じたこと・現地の課題等を基に、個人またはチームごとにビジネスのアイデアを出し、最終的にそのアイデアを現地の起業家の方やルワンダ政府関係者を前にプレゼンしました。空いた時間で街の人に幸福についてのインタビューも行っていました。
僕のチームは、「ルワンダで宇宙産業を広める」をミッションに活動しました。まだ宇宙産業が発展していないルワンダで、いきなり宇宙ビジネスを展開するのはかなり困難だったため、まずは宇宙に知ってもらおうと高校生を対象にペットボトルロケットのワークショップを行いました。最終的にビジネスとして成立はしませんでしたが、社会的な意義を評価されコンテストで見事優勝することができました。
個人的に興味があった「幸福のメカニズム」は、このプログラムと自主的に実施したインタビューを通してかなり言語化されました。日本では、不自由がなく資本主義の発展によって「地位財(金、モノ、社会的価値)」による幸せを求めがちですが、アフリカの多くの国では「非地位財(自由、愛、社会への帰属意識)」による幸福を自然と感じていることがわかりました。この気づきは、日本を客観的に見た時に日本人が忘れてしまっていることを思い出させてくれました。
また、チームでコトを起こすことの難しさを痛感させられました。一方で、その分アフリカのことわざである「早く行きたければ一人で進め、遠くまで行きたければ皆で進め」が腑に落ちた感じがしました。2週間という短い期間ではありましたが、日本に帰国した後も実際に飲みに行ったりイベントに一緒に参加したりと共に参加したメンバーとはとても仲良くなりました。
-ミッション実現に向けての取り組みを教えてください
プログラム参加後、内定をもらっていたレバレジーズ株式会社に入社しました。アフリカの若者を対象にした事業を起こすために入った会社なので、もちろん海外事業部を志望しました。しかし、ちょうどコロナ禍の影響で事業縮小を余儀なくされ、IT人材の転職支援を行うレバテックに配属されました。
そこから1年間が経過したところで、人材業界のビジネルモデルの限界や救いたい対象がこの企業では救えないことに違和感を覚え始めました。そこから、そもそも選択肢を持たない人たちや選択肢があっても自ら意思決定ができない人たちのために介在価値を出したいと思うようになり、地方創生ベンチャーの株式会社FoundingBaseに転職しました。
現在は、Education Div. Directorとして、山口県美祢市で中学生向け公設塾「mineto」の立ち上げを行っています。この塾は「学力の向上」や「受験の成功」が主目的ではなく、「好奇心を持ち挑戦し続ける子どもを育む」をコンセプトにしています。企業とコラボしたPBL(Project-based Learning)型の授業を実施したり学校では習わない様々なテーマを元にディスカッションをしたりと日本でも珍しい塾です。
ルワンダでのプログラムやゼミでのフィールドワークなどを通して「経済格差≒教育格差」という教育格差の本質を肌で感じました。この「環境要因によって若者の可能性が潰されてしまう社会」はアフリカでも日本でも一緒です。僕は今の活動を通じて、まずは日本で「教育×地域」のモデルケースを創り、この構造をどうにか是正できないか試行錯誤しながら活動に励んでいます。
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