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名前や肌の色で階級がわかる?~インドのカースト制度のいま~

ミヤチ@インド
  • 2023/05/22 00:00
  • インド
  • 社長直下
  • インターン前

みなさんこんにちは!

 

 

私は7月からインドにてタイガーモブでのインターンシップに参加する予定です。

 

 

今日は、最近インドについての情報を得ていく中で、私自身「え、そうだったんだ!」と驚くことが多かったので

「カースト制度」について、書いていこうと思います。

 

 

〇意外と「差別」って身近なもの!?

 

 

まず、最初にカースト制度について書く前に、「差別」について考えてみたいと思います。

 

 

インドのカースト制度、不可触民への差別など、日本にいれば身近に感じないものですよね。

しかし、「差別」というものは日本でも身近に起こっています。

 

数年前、新型コロナウイルスが猛威を振るっていたころ、陽性となった人への中傷や医療従事者の方への差別的な対応が問題となりニュースとして取り上げられていましたね。市内で初めて出た陽性者の家に落書きがされたり、医療従事者の方が子供を保育園に預けることを断られるなど、心無い差別や偏見が続きました。

 

このように、差別や偏見というものは歴史の中で繰り返されてきました。

今実際に起きている差別、また、今までに起きていた差別を知り、現代の教訓とすることで、

身近な差別問題を減らしていくことができるのではないかと感じています。

 

なので、ぜひ少し身近に差別問題について捉えながら読んでいただけたら幸いです。

 

 

〇カースト制度ってなに?

 

ではまず初めに、カースト制度とはなんでしょうか?

 

カースト制度とは、インドで多数派を占めるヒンドゥー教における身分制度を指します。

 

そこには4層の階級からなる「ヴァルナ」と共同体単位である「ジャーティ(職業・地縁・血縁的社会集団)」が含まれます。

 

 

◦ヴァルナとは?

 

ヴァルナは4つに区分され、上から宗教的な権威を持つ「バラモン」、王族や貴族などの「クシャトリア」、商業を生業とする「ヴァイシャ」、農業や製造業などに従事する「シュードラ」となります。

そしてその外側に「ダリット」(不可触民)と呼ばれる最下層の区分があり、死人や家畜の排泄物の処理など不浄とされている職業に従事してきました。

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この4段階のピラミッドに見覚えのある方も多いのではないでしょうか。

 

私は中学生くらいの頃、この4つをテストのためにずっと唱えて覚えていた記憶があります(笑)

 

 

◦ジャーティとは?

 

ジャーティとは社会的集団のことで、伝統的な職業や地縁、血縁などによって区分されます。

インド全体で、2000から3000ほどのジャーティが存在していると言われているようです。

 

 

カーストは親から受け継がれ、誕生後に変更はできません。

 

そして現在の人生の結果によっては次の生で高いカーストに上がることができる、

 

また、現在のカーストは過去の生の結果であるから、受け入れて生きるべきとされます。

 

 

それでは、どのようにしてカースト制度は誕生したのでしょうか?

 

 

〇カースト制度の誕生

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カースト制度のヴァルナは、アーリア人によって作られたと言われています。

 

制度が作られた当初は「純血アーリア人」「混血アーリア人」「原住民」程度の分類であったとされ、

「混血アーリア人」を混血度によって1 - 2階層程度に分けたため、全体で3 - 4の階層を設定となったようです。

また、一説では、このように分類した理由は人々を階級化するためではなく、当時広がっていた感染症を防ぐためにアーリア人とそれ以外の民族を区別したためとも言われているようです。

 

 

そして、この伝統制度であるヴァルナとジャーティの制度体系はイギリスによる植民地支配の時代により厳格な仕組みとして確立されていくことになりました。

 

植民地以前には、固定的な構造というよりは、流動的な制度でした。

しかし、植民地の支配層のイギリス人は、統治のためにカースト間や最下位身分の対立を利用しました。

その結果、カースト制度はより強固な仕組みとなったのです。

 

 

そのため「カースト制度」はむしろイギリス人の植民地支配の欲望によって創造されてきたものと主張している研究者もいるようです。またこのような植民地主義によって、カーストは「人種」「人種差別」とも混同されていったといわれています。

 

 

 

〇カースト制度のいま

 

では、現在インドではどの程度カースト制度が影響をもっているのでしょうか?

 

様々な視点から考えてみたいと思います。

 

 

憲法

 

1950年に制定されたインド憲法の17条により、不可触民を意味する差別用語は禁止、カースト全体についてもカーストによる差別の禁止が明記されています。

 

 

しかし、この憲法が禁止しているのは、あくまでカーストを理由にした「差別行為」であり、カーストそのものは禁止対象ではないのです。そのため、現在でもカーストは制度として、人々の間で受け継がれているようです。

 

都市部では、カーストの意識も曖昧になってきており、ヒンドゥー教徒ながらも自分の属するカーストを知らない人すらいるようですが、農村部ではカーストの意識が根強く残り、その意識は北インドよりも南インドで強いようです。

 

 

◦IT産業

 

IT産業は、新しく発達してきた産業のため、カーストを問わず職に就くことができるといわれています。そして、アメリカ企業との時差やイギリス植民地時代の影響による英語力の高さなど様々な要因が重なってインドにて大きな発展を遂げている産業となっています。インドと言えばIT産業というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

 

しかし、インド人創業者による有名IT企業の多くが、バラモンなどのカースト上位創業者である実情もあり「IT産業は等しく能力主義で、下剋上ができる」という世間のイメージ通りであるとは言い難いようです。

 

 

◦児童問題

 

児童労働問題やストリートチルドレン問題は、インドにおいては解決が早急に求められるまでになっています。

そして、児童労働従事者やストリートチルドレンの大半は、下級カースト出身者が圧倒的に多い一方、

児童労働雇用者は上級カースト出身で、教育のある富裕層が大半である、と報告されているようです。

 

 

◦結婚

 

インド憲法上、異カースト同士の結婚も認められていますが、ヒンドゥー教徒の結婚は、同じカーストか、近いカースト内での結婚が好ましいとされているため、現在でも見合い結婚が多くなっています。

逆に、恋愛結婚・異カースト同士の結婚は増えつつあるとはいえ、現在も一部の大都市でしか見ることができないようです。

 

 

また、名誉殺人という風習が今もなおあるとされています。

 

名誉殺人とは、婚姻拒否、「誤った」男性(自身よりも低いカーストなど)との結婚・駆け落ちなど自由恋愛をした女性、そして、これを手伝った女性らを「家族の名誉を汚す」ものと見なし、親族がその名誉を守るために私刑として殺害する風習のことです。

 

 

最近、友人におススメされて「インド残酷物語」という書籍を読んだのですが、そこで名誉殺人の実際の事例が書かれていました。近年でも、自由に恋愛や結婚ができない、また自由に恋愛をした結果殺されてしまうような事例が起きていることに驚きました。

 

 

また、実際に南インド滞在中に、ホストファミリーの高校生くらいの女の子に恋愛事情を聞いたことがありました。

すると、「恋愛なんかしたら、家族に殺される」という風に言っていました。

やはり、まだ恋愛結婚という考えに抵抗を持つ人が多いのだと知り、改めて根付いている文化の強さを感じました。

 

 

〇名前や肌の色でカーストがわかる!?

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インド人の苗字は、出身地や職業などが由来となっているものが多く、名前を聞けば階級の予測が可能であるようです。

 

また、カースト制度ができた当時は肌の色の濃淡がその人の身分を計るものさしとなっていました。

紀元前1500年頃進入した色の白いアーリア人が、先住の色の黒いドラヴィダ人を支配したからです。

そして、高位階級の人々同士が結婚していった結果、階級が高いほど肌が白い傾向があるようです。

 

苗字や肌の色を見るだけで階級が分かってしまうというのは、少し恐ろしいですよね。

 

しかし、近年では高位カーストを中心としてルールに縛られず命名をする場合もでてきており、

差別につながってしまうような風習が少しずつではありますが減少してきているようです。

 

 

現在、インドでは約2億人の人が不可触民にあたり、いまだに過酷な環境の中で生きているとされているようです。

 

このようにインドにおいて、カースト制度や階級による差別は改善されてきているものの、やはりいまだにたくさんの問題を抱えています。

 

 

インターン生活では、実際のカースト制度の今を見て感じてくることができるので、インドで今本当に起こっていることを直接学んできたいと思います。

 

 

あまり文章を書くのは得意ではないので、読みづらい部分もあったかと思いますが、最後までお読みいただいてありがとうございました!! 

ミヤチ@インド

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